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★イルクーツクでヴォロネジ-M早期警戒レーダーが稼働開始

イルクーツク州のミシェレフカで「ヴォロネジ-M」レーダーが稼働を開始した。
サンクトペテルブルグ近郊のレフトゥーシ、クラスノダール州のアルマヴィル、カリニーングラードのピオネールスキーに続いて4番目となる。シベリア方面では初のヴォロネジで、中国や朝鮮半島などアジア方面を監視する。

ヴォロネジ-M


報道では、このレーダーはレフトゥーシに配備されているのと同じ「ヴォロネジ-M」とされているが、画像を見る限りアンテナ面がほぼ倍ほど広く、まったく同一でないことは明らかである。
ロシア語のWikiではこれをパワーアップ型の「ヴォロネジ-VP」と呼んでおり、筆者もそのように理解して『軍事研究』に書いてしまったのだが、少なくともVPという名称な使っていないようだ(ただ、少なくともレフトゥーシの「M」とミシェレフカの「M」は名前が同じなだけで同一でないこともたしかである)。

ちなみにこのレーダーは探知距離が最大6000km、カヴァー範囲が左右120度とされているが、今後は同じレーダーをもう1基建設し、合計240度をカヴァーできるようにするという。

上で引用した『独立軍事評論』の記事にはもうひとつ、面白いことが書いてある。
ロシアは5月23日にプレセツク宇宙基地から新型ICBMの発射実験を行っており、当初はRS-24の改良型である「アヴァンガルド」であると見られていた。
ところが、上記の記事によると、5月23日に発射したのは「ブラワー」SLBMと多くの共通点を持つミサイルであったという。
RS-24も「ブラワー」も技術的源流をたどるとどちらも「トーポリ-M」ICBMに行きつくが、「ブラワー」は潜水艦の限られたスペースに収めるために「自動車を飛行機に改造する」と言われたほど設計を徹底的に改めている。
とすると、「アヴァンガルド」はRS-24ではなく「ブラワー」をベースとしたミサイルだったのか?それとも「アヴァンガルド」とは別系統の新型ICBMが開発されているのか?
記事の真偽はまだよく分からないが、ちょっとしたミステリーとして注目しておきたい。
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★戦略ロケット軍のICBM調達数(続報)

先日のエントリで、今年のICBM調達数が合計10基になる旨をお伝えしたが、最終的にはどうも14基になるようなので補足。

カラカエフ戦略ロケット軍司令官によると、テイコヴォの戦略ロケット軍で2個目のRS-24装備連隊が発足した。
昨年、テイコヴォでは最初の連隊が2個大隊=ICBM×6基編成で発足していたが、これが今年8月に3個大隊=ICBM×9基)で完全編成に達していた。
さら今年12月には2個目の連隊に最初の1個大隊=ICBM×6基が配備され、今年中にもう1個大隊が配備されるという。
つまり、今年のRS-24の調達数は合計9基ということになる。
2009-2010年の年間配備数が3基ずつであったから、3倍になったわけだ。2009年の調達開始以来、最高のペースだ。
この連隊は来年中に完全編成(3個大隊)になり、さらにノヴォシビルスクとコゼリスクでもRS-24の配備が始まるという。

これまで新型ICBMの配備はテイコヴォとタチシェヴォ(サイロ発射型トーポリM)に限られてきたが、来年からはようやく他の基地でもICBMの近代化がはじまるようだ。しかもコゼリスクのRS-24は初のサイロ発射型だ。

その一方、タチシェヴォにはさらに3基のトーポリMが配備されて6個目の連隊を編成する。タチシェヴォでは2012年に6個目の連隊の編成を完了し、これでトーポリMの配備は完了するという。
テイコヴォには今年、すでに2基のトーポリMが配備されているので、トーポリMの配備数は合計5基ということになる。

すでに道路移動型トーポリMの配備は終了しているので、2013年以降、当面のICBM調達はRS-24に一本化される。
今後はICBM生産のリソースをRS-24に集中していく方針ということだろう。
そうなれば2012年度にはRS-24の生産はもう少し増えるかもしれない(4-5個大隊=12-15基くらい?)。

これまでロシアのICBM調達は年間11基が最高であったが、ICBMの老朽化による退役が続いているため、これをカバーするためにICBM調達数は当面、高いレベルで推移することになるだろう。

2011年のICBM調達数

11月19日、ロシア戦略ロケット軍のカラカエフ司令官が2011年のICBM調達状況を明らかにした
この発言によると今年はテイコヴォ基地にRS-24「ヤルス」道路移動型ICBM×2個大隊が配備されたほか、タチシェヴォ基地にRS-12M2「トーポリM」サイロ発射型ICBM×2基が配備された。
道路移動型ICBMは1個大隊=ミサイル3基なので、「ヤルス」の配備数は6基だったことになる(続報→9基になる可能性が出てきた)。
また、タチシェヴォには年内にさらに3基のトーポリMを配備予定とのことなので、ICBMの配備数(実験用等は除く)は合計10基となる。

ただし、START2を前提に非MIRV型ICBMとして開発された「トーポリM」とは異なり、「ヤルス」はMIRV化されている。
装備弾頭は3発とも4発とも言われるが、いずれにしても、今後は「ヤルス」配備数の3-4倍のペースで核弾頭が配備されていくことになろう。

ちなみに、新START条約に基づく米露の核保有数データが昨日、公開された。
これは今年9月1日時点のデータだが、運搬手段の減少傾向は相変わらず続いているものの、6月のデータと比べるとロシアの核弾頭数が29発分だけ増加している。
また、運搬手段の減少も5機/基に留まっている。
ながらく続いてきたロシアの核戦力減少が底を打ちつつあるのかもしれない。

一方、ICBMの調達が合計10発であったとすると、SLBMの調達分も含めても、今年3月にセルジュコフ国防相が掲げた「長距離弾道ミサイル35基」という目標には届きそうもない。
こうした軍需産業の生産能力や納期を巡る問題が、2012年以降の軍事力建設を巡る大きな課題となろう。

★ロシアの戦略核戦力に関する話題二題

ご無沙汰しておりました。
公私ともに忙しくなってしまい、すっかり更新が滞っておりました。
復帰第一段ということで、ロシアの戦略核関係のニュースをお届けします。

★2つ目のRS-24 ICBM連隊が年末までに発足
ロシア戦略ロケット軍のカラカエフ司令官は、新型のRS-24「ヤルス」ICBMを装備する2個目の連隊が年末までには発足するとの見通しを述べた。
RS-24はRS-12M2「トーポリ」Mをベースに開発された多弾頭型ICBMで、今年の8月に最初の連隊がテイコヴォ基地で完全編成(3個大隊=ミサイル9基)に達したばかり。
2個目の連隊といってもいきなり完全編成になるとは考えにくく、おそらくはコアとなる1個大隊(ミサイル3基)が発足するということだろう。
ちなみにこれまでRS-24の調達は年間3基ずつと非常に低いペースに留まってきたが、年末までにもう1個大隊編成できるとなると過去最速の生産ペースとなる。前述の8月に発足した1個大隊分と、年末までに発足した1個大隊分を合わせて、少なくとも年産6基程度のペースには達しているようだ(4月にももう1個大隊発足しているので、その一部は今年中に生産された可能性も考えると、生産ペースはもっと高まっているかもしれない)。

★新型重ICBMの発射試験に失敗
プレセツク宇宙基地から発射された新型重ICBMが打ち上げに失敗し、発射地点から数km離れたところに墜落した。
ところがこのミサイルが実にミステリアスで、正体がよくわからない。
筆者が最初に接した報道はtwitter上のインターファックスの速報で、ここでは「マケーエフ設計局製の液体燃料型重ICBM」となっていたのだが、同じ後からURLをクリックしてみると単に「重ICBM」となっている。
一方、後から出てきたより詳しい報道によると、このミサイルはRS-24やRS-12M2を開発したモスクワ熱力学研究所MIT)が開発した固体燃料型ミサイルで、RS-24をさらに発展させた移動式ミサイルであるという。
おそらくは「アヴァンガルド」という名前のみが知られていたミサイルと同じミサイルと思われる。上のリンク先の記事によると、対ミサイル防衛突破用の新型個別弾頭を搭載するほか、エンジンまたは固体燃料の改善によって投射重量の増大や飛行性能の向上を達成していると見られるという。

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テーマ:国際ニュース - ジャンル:ニュース

★「ブラワー」SLBM第16回目の発射試験に成功

27日、ロシア海軍は「ブラワー」潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射試験に成功した。
発射は、潜航した原子力潜水艦「ユーリィ・ドルゴルキィ」からモスクワ時間の午前7時20分に行われた。今回は初めて最大射程距離で発射されたが、従来は「ブラワー」の最大射程が8000kmとされていたのに対し、「イズヴェスチヤ」の記事によると実際は9300kmも飛行したという。弾頭数や軌道によってはこの程度まで射程を出せるのだろう。

不具合の続いていた「ブラワー」だが、昨年から今年6月にかけての3回の連続発射に成功しており、今回は連続4回目の成功ということになる。
ひとまずは不具合の特定に成功し、ようやく実戦配備に道筋がつき始めた段階に入ったと見なせよう。
特に最大射程での発射を行ったことは、前3回に比べてより踏み込んだ試験が行われていることをうかがわせる。
なお、実戦配備までにはあと5-6回は発射に成功する必要があるとされている。
特に実戦能力を実証するためには、どこかで一斉発射(サルヴォー)試験を行う必要が出てくるだろう。
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