ロシア空軍 2012年の航空機導入予定

11月25日に空軍のドリク報道官が発表したところによると、2012年のロシア空軍の装備調達は、航空機・ヘリコプターの新規調達・近代化改修合計で約90機になるという。
ドリク報道官の発言で触れられている機体は以下の通り。

MiG-31BM迎撃戦闘機(近代化改修)・・・約10機
Su-34戦闘爆撃機・・・10機
Su-25SM攻撃機(近代化改修)・・・約10機
Su-35S戦闘機・・・?
Mi-28N・Ka-52攻撃ヘリ・・・合計約20機
Mi-35M攻撃ヘリ・・・?
Mi-8系ヘリ・・・約30機
Mi-26超大型ヘリ・・・約5機

「約」の部分を無視して足し算すると、「85機+?」となる。
Su-35とMi-35Mは来年が初配備となるので、それぞれ2-3機程度のみ調達とすれば、合計で90機というつじつまは合う。
この発言で注目すべきは、まず、MiG-31BMへの近代化作業がようやくまとまった数で始まったことであろう。MiG-31BMはMiG-31の「ザスロン」レーダーを「ザスロンAM」仕様とし、探知距離の延伸や動作モードの追加、R-37長射程AAMの運用能力付加などを施したタイプであるが、価格問題で改修実施契約が結べていなかった。

Su-34については2010年が4機、2011年が6機であったので、調達数は増加傾向にあるようだ。ただ、2020年までに120機という目標(以前、ゼーリン空軍総司令官が口にしたもの)を達成するには、さらに調達ペースを挙げる必要があろう。

一方、疑問もある。
この調達予定の中には、Su-30M2戦闘爆撃機やYak-130高等練習機、「アンサート-U」練習ヘリなどが含まれていない。まさか調達しないことはないと思うのだが(特にYak-130とアンサート)。
また、セルジュコフ国防相が3月に述べたところでは、2011年の航空機調達は固定翼機35機、ヘリコプター109機とされていたが、これと比べても上掲の数字は少なすぎる(サドフィエフ空軍副司令官は固定翼機50機、ヘリコプター100機と述べていた)。特に2020年までにヘリコプター1000機という目標を本気で達成するつもりがあるなら、現状の調達ペースはまったく不足と言えよう。
スポンサーサイト

ロシア空軍のSu-30シリーズ導入について

ロシア空軍のSu-30シリーズ導入について、ニュースが2件出てきた。

第一は、Su-30M2を今年中に8機追加購入するというニュース。
Su-30M2は2009年のモスクワ航空ショーで4機分の契約が結ばれ、昨年末にカフカスと極東に2機ずつ配備されていた。
これらの基地には近代化改修型のSu-27SMとSu-27SM3が配備されており、Su-30M2はSU-27SM/SM3を補完する訓練・攻撃型という位置づけと見られる。
国防省の発表によれば、このうちカフカスのクルィムスク基地に8機のSu-30M2が追加配備され、今年中に合計10機体制になるという。

第二のニュースは、Su-30SM戦闘爆撃機の調達である。
SU-30SMは今年のモスクワ航空ショーでイルクートのフョードロフ社長が言及した機体で、より戦闘爆撃機としての性格が強いと見られる。
フョードロフは、空軍に28機・オプションで海軍に12機という数字を挙げていたが、当時はまだ「交渉準備を行っている」という表現であったため、本当に空軍に導入の意向があるのかどうかは明らかでなかった。
しかし、今月8日にゼーリン空軍総司令官が行った記者会見で、同司令官はたしかに空軍が28機のSu-30SM導入を意図していることを認めた。
同司令官によれば、28機という数字は最終的なものではなく、とりあえずパイロットの訓練に用いる分である。早ければ2012年にも契約を締結し、同年中に最初の2機を受領したいとしている。
空軍はSu-34戦闘爆撃機の導入も進めているが、非常に高価であることから、Su-30SMとのハイ・ロウ・ミックスで調達を進めていくものと思われる。


それから宣伝です。
今月号の『軍事研究』に今年秋に実施されたロシア軍の大演習「ツェントル2011」について書かせていただきました。同演習は、2009年から始まった一連の大演習の第3弾であり、軍改革の成果や脅威認識を検討するうえで非常に興味深い演習でした。ご興味がおありの向きは是非にご覧ください。

広告
最近の書き物
★『プーチンの国家戦略』(単著)

 2016/10/26発売。幅広い読者の皆様向けに、安全保障政策を中心とした筆者なりの「ロシア論」を初めて展開してみました。プーチン大統領を取り巻く情報機関人脈、イスラム過激派、宇宙といった新トピックも盛り込んでいます。

★『軍事大国ロシア』(単著)

「軍事大国ロシア」を、軍事力、戦略、対外関係、軍需産業、社会など様々な側面から描き、その実態を浮かび上がらせようという試みた一冊。専門書の体裁なのでやや硬め。

★ドミトリー・トレーニン著『ロシア新戦略』(共訳)

カーネギー財団モスクワ・センター所長である著者がソ連崩壊後のユーラシア世界を描き出した労作。管理人も翻訳に参加しています。

★「イラストでまなぶ!ロシア連邦軍」(共著)
検索フォーム
リンク
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: