★2012年の国家国防発注

先日、ロシア国防省のスホルコフ第一国防次官が実施したブリーフィングで2012年度の装備調達(GOZ)に関する情報が出てきたので以下にまとめ。

★2012年度の国防省向けGOZ予算は6774億ルーブル
★4月15日の時点で、契約が結ばれたのは5207億ルーブル分(全体の約77%)
★これは「4月15日までにすべてのGOZを締結する」とした以前の目標には届かないものの、前年度あるいは前々年度の同時期における契約締結率(それぞれ50%と47%)と比べれば改善されている
★従来、2012年度のGOZ予算は7040億ルーブルになるはずだったが、250億ルーブル分削減された。ただし調達契約には変更はない
★締結済みの契約のうち、全GOZ予算の57%にあたる3865億ルーブルが前払いされる(。。。という理解でよろしいでしょうか?原文は "По условиям заключённых контрактов выплачено 386,5 млрд. рублей, что составляет 57% от общего объёма ассигнований на ГОЗ-2012. Этого результата удалось достичь за счёт распространения практики стопроцентного авансирования заключённых контрактов."なんですが自信がないのでどなたかご教示を頂ければ幸いです)

というわけで、全体的な状況としては、期限内の全GOZ締結はできなかったものの、昨年度以前よりはマシな状況である、といったところであろうか。
それにしてもこの記事のタイトルは「2012年のGOZはすべて予定通り」。
軍の機関紙「赤い星」だから仕方ないのかもしれないが、2割以上も契約の遅れた案件があるんじゃ全然「予定通り」じゃないだろう(笑)。

GOZの具体的な中身については、「RIAノーヴォスチ」のこちらの記事が詳しい。
これによると、昨年のGOZで大きな問題になったMIT(モスクワ熱技術研究所)から弾道ミサイル調達や、OAK(統一航空機製造会社)からの航空機調達に関しては今年は問題は発生していない。
一方、昨年は最後まで価格問題で折り合いがつかずに揉めた955型潜水艦については、今後の量産に向けた価格問題がまたぞろ持ち上がっているという。
記事(4月19日付)の中で、スホルコフ第一国防次官は、「来週には契約が結べるだろう」との見通しを述べているが、その「来週」は今秋の27日まで。
果たして価格問題で折り合いがつくのかどうか、注目していきたい。

なお、2012年の調達予定としては、「パンツィーリ」防空システム28基、航空機58機、ヘリコプター124機が予定されているという。こちらも果たして達成できるものかどうか動向が注目されよう。
スポンサーサイト
広告
最近の書き物
★『イラストでまなぶ!軍事大国ロシア』(共著)

 2017/9/30発売。既刊「イラストでまなぶ!ロシア軍」の大幅増補改訂版。めまぐるしく変化するロシア軍の最新情報を各分野の有名ブロガーでまとめました。かわいいイラストもついてるよ(擬人化ペルソナ偵察衛星さんのかわいさは異常)。
★『大国の暴走』(共著)

 2017/7/25発売。米中露それぞれの視点から現在の世界情勢について話し合った鼎談企画です。ユーラシアの巨大国家である中露の論理、トランプの世界観など。
★『プーチンの国家戦略』(単著)

 2016/10/26発売。幅広い読者の皆様向けに、安全保障政策を中心とした筆者なりの「ロシア論」を初めて展開してみました。プーチン大統領を取り巻く情報機関人脈、イスラム過激派、宇宙といった新トピックも盛り込んでいます。

★『軍事大国ロシア』(単著)

「軍事大国ロシア」を、軍事力、戦略、対外関係、軍需産業、社会など様々な側面から描き、その実態を浮かび上がらせようという試みた一冊。専門書の体裁なのでやや硬め。

★ドミトリー・トレーニン著『ロシア新戦略』(共訳)

カーネギー財団モスクワ・センター所長である著者がソ連崩壊後のユーラシア世界を描き出した労作。管理人も翻訳に参加しています。
検索フォーム
リンク
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: