★『赤星通信』第1号配信!

メールマガジン『赤星通信』の第1号がさきほど配信になりました。
主な内容は以下の通りです。

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★赤星通信 第1号 軍事予算を巡る露国防省と財務省の攻防/ウラジオストクに新型強襲揚陸艦配備
2012.8.2

 ロシア・旧ソ連諸国の軍事・安全保障情報をお届けする「赤星通信」の第1号です。
 今回は昨年からスタートしたロシア軍の装備更新計画を巡る国防省と財務省の攻防、そしてウラジオストクへの新型強襲揚陸艦の配備についてご紹介します。

目次
★装備更新計画GPV-2020を巡る攻防
★ウラジオストクへの「ミストラル」級強襲揚陸艦の配備
★編集後記


★装備更新計画GPV-2020を巡る攻防

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 昨年からスタートしたロシア軍の装備更新計画「2020年までの国家武器計画(GPV-2020)」を巡って、7月以降、ロシア国防省と財務省の攻防が活発化している。

 ソ連崩壊後、ロシア軍ではほとんど装備更新が行われておらず、プーチン政権末期には現代的水準を満たす兵器は1割以下とまで言われる状態にあった。これに対してプーチン政権は2007年から総額5兆ルーブル規模の「2015年までの国家武器計画(GPV-2015)」をスタートさせ、一定の成果を挙げたものの、その成果は不十分だった。そこでGPV-2015を発展的に解消し、新たに策定されたのがGPV-2020だったというわけである(もともとロシアの長期計画は、10年程度のスパンで策定しておいて、期間半ばで見直しを行うというパターンが多い)。

 GPV-2020は全ロシア軍の7割を装備更新するとの目的でスタートしたものだったが、政府が13兆ルーブルという予算を提示したのに対し、軍側は28~35兆ルーブルが必要であるとして大幅な増額を求めた。
結局、2010年末になって約20兆ルーブルという線で妥協が成立し、2011年からスタートの運びとなったわけである。初年度の2011年には、装備品の価格を巡って国防省と軍需産業の間で軋轢が持ち上がったのだが、このあたりの経緯については、筆者がWebビジネス誌JB Pressで以前、触れているので一読いただければと思う(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/23948)。

 GPV-2020の概要だが、大統領選挙中に公表されたプーチンの国防施政方針論文で次のように明らかにされている(同論文については『軍事研究』誌2012年5月号の拙稿を参照されたい)。

 ・近代的な地上配備・海洋配備型長距離弾道ミサイル400基
 ・SSBN8隻
 ・多目的潜水艦約20隻
 ・水上艦50隻以上
 ・軍事衛星約100基
 ・近代的な航空機(第5世代戦闘機含む)600機以上
 ・ヘリコプター1000機以上
 ・S-400防空システム28個連隊分
 ・「ヴィチャージ」防空システム38個大隊分
 ・「イスカンデル-M」戦術弾道ミサイル10個旅団分
 ・近代的な戦車2300両以上
 ・自走砲コンプレクス約2000両
 ・その他の戦闘車両1万7000両以上

 以上のそれぞれについて詳しく立ち入っている余裕はないが、いずれにしても相当規模の装備更新計画であることは間違いあるまい。問題は、費用である。最近の発表を総合すると、GPV-2020の総額は23兆ルーブルで、このうち連邦軍向けが20兆7000億ルーブル、残りは内務省や情報機関等向けとなる。使途は武器・装備の調達・修理・改修・研究開発である。
 このうち、連邦軍向け予算の内訳については、これまでの政府首脳や軍高官の発言から次のように判明している(以下を参照した。http://lenta.ru/news/2012/07/04/weapon/)。

 ・陸軍および空挺軍......2兆6000億ルーブル
 ・海軍..................4兆7000億ルーブル
 ・空軍..................4兆ルーブル
 ・航空宇宙防衛軍........約4兆ルーブル
 ・戦略ロケット軍........約1兆ルーブル

 以上を合計してみると、合計で約16兆3000ルーブルとなる。国防省は以前、GPV-2020における連邦軍向け装備調達・修理・改修費用の合計が16兆6000ルーブルであるとしていたので、ほぼ辻褄が合う。さらに3兆ルーブルが軍需産業の近代化のために投じられることになっているが、GPV-2020の総額は20兆700億ルーブルであるから、1兆1000億ルーブルほどの使途不明金があることになる・・・

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