★『機龍警察』第3巻「暗黒市場」

『機龍警察』というSF小説をご存知でしょうか。
機龍と呼ばれるパワードスーツが登場する近未来SFなのですが、やたらにリアルな警察の描写や登場人物達の彫りの深い描写等で高い評価を得ているシリーズです(押井版「パトレイバー」が好きな人はハマるかも)。
その最新作「暗黒市場」が発売されたのですが、今回はロシアが深く関わるお話ということで、このブログの管理人が考証として作品作りに参加させていただきました(あんまりお役に立ちませんでしたが・・・)。

小説のできていく過程というものに多少ながらも関わって初めて思い知ったのですが、作家って本当になんでもよく調べる人たちなのですね。
徹底的に参考文献を読み込んで世界観を作っていく作者の月村先生の姿勢には感銘を受けました。

ともあれ、今回も文句なしに面白い作品に仕上がっていますので、是非ご一読を。



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★『赤星通信」第9号 ロシア軍の装備更新進展状況と問題点

遅くなりましたが、月曜日にメルマガ「赤星通信」の第9号を配信しました。
今回は装備計画関連のいろいろです。
当ブログではサンプルとしてテイコヴォのICBM師団が装備更新を完了したという記事をお届けします。

(注:配信した記事中に誤りがあり、1個ミサイル連隊の定数を18基としていましたが正しくは9基でしたので訂正した状態で公開しております)。

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赤星通信 第9号 テイコヴォのICBM師団が装備更新を完了/装備計画予算の使い方がでたらめと指摘/連邦国防発注監督庁を軍需産業委員会の直轄へ
2012.9.24



 今回は装備計画関連の話題でお送りしたいと思います。ようやく成果が出始めたロシア軍の装備更新ですが、まだまだ前途は多難そうですね。



目次
★テイコヴォのICBM師団が装備更新を完了
★会計検査院から国防相への書簡 装備計画予算の使い方がでたらめと暴露
★連邦国防発注監督庁を軍需産業委員会の直轄へ
★編集後記



★テイコヴォのICBM師団が装備更新を完了

 9月20日、ロシア戦略ロケット軍は、テイコヴォに駐留する第54親衛ロケット師団の装備更新が完了したと発表した(http://izvestia.ru/news/535752#ixzz273vcRYmz)。
同師団はRS-12M「トーポリ」道路移動型ICBMを装備していたが、これをRS-12M2「トーポリ-M」2個連隊(各連隊はICBM×9基装備。道路移動型)とRS-24「ヤルス」2個連隊(同)とに更新した。
「トーポリ-M」と「ヤルス」はともに第5世代に分類されるICBMであり、この世代のICBMへの更新が完了したのは第54親衛ロケット師団が最初だ。
 なお、「トーポリ-M」は「トーポリ」の命中精度などを高めた単弾頭ICBMで射程は約1万1000km。一方、「ヤルス」は「トーポリ-M」をさらに改良し、しかも複数の弾頭を搭載できるようにしたタイプである。
 戦略ロケット軍は第5世代ICBMによる旧式ICBMのリプレースをさらに進める予定で、今年中にタチシェヴォの第60親衛ロケット師団をサイロ発射型の「トーポリ-M」で完全に更新する。
同師団の指揮下には6個のミサイル連隊が入っており、最終的に60基ものサイロ発射型「トーポリ-M」が配備されることになる。
 さらに戦略ロケット軍は今後、他の部隊でもICBMのリプレースを進めていく方針であり、当面はコゼリスクの第28親衛ロケット師団とノヴォシビルスクの第39親衛ロケット師団、そしてイルクーツクの第51親衛ロケット師団ですでに「ヤルス」の配備に向けた要員訓練を開始しているという(http://www.ria.ru/defense_safety/20120521/654190471.html)。
このうち、ノヴォシビルスクとイルクーツクはテイコヴォと同じ道路移動型であるが、コゼリスクについては初のサイロ発射型が配備される。

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★『赤星通信』第8号 ロシア軍のタジク・キルギス駐留交渉の行方/新装備計画の策定開始

旧ソ連・ロシアの軍事・安全保障情勢をお届けするメールマガジン『赤星通信』の第8号が配信になりました。
今回は在外ロシア軍基地の駐留継続交渉に関する話題2題と、2025年までの新装備計画の策定が始まったという話をお届けします。
以下、新装備計画の部分のみ無慮公開致します(他の記事はメルマガにご登録いただくとお読み頂けます)。



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赤星通信 第8号 ロシア軍のタジキスタン駐留継続交渉の行方/キルギスタンでもロシア軍駐留継続の条件を審議/2025年までの国家装備計画の策定作業を開始
2012.9.17

 最近、Webビジネス誌 “Japan Business Press”に「在外ロシア軍基地を巡るポリティクス」という2回続きの記事を書きました(いずれも閲覧無料)。

第1回 基地租借料値上げを突きつけられるロシア (http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36024?page=3)
第2回 ロシア離れとNATOのアフガニスタン撤退 (http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36026)

 このうち、第1回目で取り上げたのですが、ロシアは最近、アゼルバイジャン、キルギスタン、タジキスタンといった旧ソ連諸国の在外基地使用料の値上げを迫られてきました。
 いずれも租借期限が間もなく切れる基地であり、駐留を延長したければ租借料をもっと値上げしろ、という構図だった訳ですが、このうち、タジキスタンとキルギスタンについてはどうにか話がまとまりそうな情勢になってきました。
 今回はこのテーマでお届けしたいと思います。



目次
★ロシア軍のタジキスタン駐留継続交渉の行方
★キルギスタンでもロシア軍駐留継続の条件を審議
★2025年までの国家装備計画の策定作業を開始
★編集後記



★2025年までの国家装備計画の策定作業を開始

 9月7日、軍需産業委員会(VPK)は2016-2025年までの国家装備計画(GPV-2025)の策定作業を開始した。
 VPKというのは政府付属の常設機関で、国家的な装備計画の策定を担当する。
 現在進行中の2011-2020年までの国家装備計画(GPV-2020)を策定したのも、このVPKである。
 今年はまだGPV-2020が開始されてから2年目なので次の装備計画を立て始めるのは随分と気が早いようだが、GPVは10年間で策定しておいて、5年経った段階で進捗状況等を見直し、新しい10カ年計画へと再編するという手法をとっている。
 したがって、3年強後には新しい計画がスタートすることになるわけで、今から検討程度は進めておくのは決して遅くはないだろう。
 ちなみに今回のGPV-2020では総額20兆ルーブル(約50兆円)という未曾有の金額を投じて全ロシア軍の7割を装備更新するとしている。
 ただ、プーチン首相(当時)が2010年末に「口にするのも恐ろしい金額」と表現したように、これは旧式化の極みに達したロシア軍を一気に立て直すための一種の非常措置であり、いつまでもこんな支出を続けていては財政が破綻してしまうのは明らかだ。
 GPV-2020が計画通りに進めば、2020年以降は極端な大量調達を行う必要はなくなり、したがって装備費を抑制することも可能になる筈だが、一度膨れ上がった予算枠のカットに軍が簡単に同意するかどうかは疑問が残る。
 次の装備計画において、軍事負担を適正なバランスに戻せるのか、それともブレジネフ期のような高負担傾向が続いていくのかが一つの焦点となろう。

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★『赤星通信』第7号 「冷戦後初の「国産」輸送機初飛行間近」ほか

旧ソ連・ロシアの軍事・安全保障情報を毎週お届けする「赤星通信」の第7号が配信になりました。
今回は間もなく初飛行するIl-476輸送機の概要とその戦略的インパクトを中心にお届けします。

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赤星通信 第7号 冷戦後初の「国産」輸送機が初飛行間近/徴兵の給与手当増額
2012.9.10



 ロシア・旧ソ連諸国の軍事・安全保障情報をお届けする「赤星通信」の第7号をお送りします。



目次
★冷戦後初の「国産」輸送機が初飛行間近
★徴兵の給与手当増額
★編集後記



★冷戦後初の「国産」輸送機が初飛行間近

 ロシア空軍の新型輸送機Il-476の初飛行が9月中にも予定されている。
 Il-476はこれまでロシア空軍の主力輸送機であったIl-76MDを大幅に改設計したタイプで、Il-76MD-90Aとも呼ばれるタイプだ。
 新型のPS-90Aエンジンを採用し、最大ペイロードが50tまで向上しているほか、新型の主翼を採用したことにより、最高速度は850km/hへとさらに増大し、最大ペイロード搭載時の航続距離も6000kmまで伸びているのが特徴だ。
 戦闘機や爆撃機に比べて輸送機というのは注目度が低いが、筆者はこの輸送機に2つの戦略的意義があることを指摘したい。
 第一に、この輸送機はロシアが冷戦後に開発した初の「国産」輸送機であるという点だ。ソ連の軍用輸送機メーカーとしてはIl-76シリーズなどを開発したイリューシン設計局と、An-12などを開発したアントノフ設計局とがあった。しかし、イリューシン設計局の輸送機を生産していたチカーロフ名称航空機工場(TAPOiCH)は現在のウズベキスタンにあり、現在では「外国」になってしまっている(イリューシン設計局自体は現在もロシア企業)。
 アントノフに至っては設計局も工場もウクライナ政府の管轄下に入ってしまっており、したがって、ロシアは輸送機を国産できない状況が長く続いてきた(ほかにもロシアには大型機メーカーとしてツポレフがあるが、同設計局には軍用輸送機の開発警官がない)。
 しかも、ウズベキスタンとウクライナは何かとロシアとの関係に問題を抱えている。ウズベキスタンについてはロシアから距離を取ろうとする傾向が強く、特に軍事・安全保障面ではロシアが主導するCSTO(集団安全保障条約機構)への加盟と脱退を繰り返してきた(今年6月には、2度目の「加盟資格停止」を宣言している)。
 さらにTAPOiCHは生産能力にも問題が多く、中国から受注したIl-76輸送機とIl-78空中給油機(Il-76の空中給油バージョン)を納期通りに生産できず、結局は破談に陥っている...


(続きはメルマガでご覧になれます。登録月中は無料でご覧頂けます。http://www.mag2.com/m/0001568270.html

★JBpressと『軍事研究』10月号

★JBpress 基地租借料の値上げを突きつけられるロシア

久しぶりにWebビジネス誌Japan Business Pressで記事を書きました。
今回は「在外ロシア軍基地を巡るポリティクス」前篇ということで、「基地租借料の値上げを突き付けられるロシア」というテーマです(閲覧無料)。
アゼルバイジャン、タジキスタン、キルギスといった国々で、ロシア軍基地が使用料の値上げ要求に晒されている現状をまとめてみました。
後編では、NATOとの関係がテーマです(近日公開)。


★『軍事研究』10月号

今回は8月のロシア空軍100周年記念式典のルポと、最近のロシア空軍の調達状況および将来計画などをまとめています。
毎年、この季節の原稿はやわらかめのルポ記事にすることにしているんですが、今回はロシアの森で迷った話(笑)など盛り込んでいますので、ご笑覧いただけましたら幸いです。


★『赤星通信』第6号 「北方領土における軍事力近代化の現状ほか」

メルマガ『赤星通信』の第6号が配信になりました。
今週からウラジオAPECが始まったということで、極東の軍事力関連の話題を中心にお送り致します。


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★赤星通信 第6号 北方領土における軍事力近代化の現状/太平洋艦隊水上艦部隊の拠点が近代化完了/ヴェトナム向け潜水艦の1番艦が進水
2012.9.3



 ロシア・旧ソ連諸国の軍事・安全保障情報をお届けする「赤星通信」の第6号です。
 実はこれまではまぐまぐのシステム上、創刊前の「号外」という扱いだったので、今回が正式には創刊号ということになります(もうあんまりそういう気はしませんが)。
 ところで今月はロシアのウラジオストクでAPEC(アジア太平洋経済協力会議)が開かれるということもあり、北方領土の軍事力強化に関する話題を主にお届けしたいと思います。なお、ロシアのアジア・太平洋戦略そのものを扱った論文も某研究機関向けに執筆中ですので、公表され次第お知らせしたいと思います。



目次
★北方領土における軍事力近代化の現状
★太平洋艦隊水上艦部隊の拠点が近代化完了
★ヴェトナム向け潜水艦の1番艦が進水
★編集後記



★北方領土における軍事力近代化の現状
 
 ロシアは2010年以降、日露の係争地域となっている北方領土(ロシア側の呼称では「南クリル諸島」)に盛んに政府や軍の要人を訪問させているほか、2011年2月には北方領土の軍事力近代化を進めることを宣言した。
 その中身について、最新鋭のSu-35S戦闘機やS-400防空システムが配備される等というかなり怪しげな情報まで含めて諸説が乱れ飛んだものの、後に参謀本部がセルジュコフ国防相に提出し、最終的にメドヴェージェフ大統領(当時)が承認したプランでは、新兵器の配備は「バスチョン」地対艦ミサイル・システム、「トール-M2」中距離防空システム、Mi-28N攻撃ヘリ程度であり、兵力も3500人程度で据え置きということになったらしい。
 らしい・・・というのは、計画の詳細が公表されず、断片的な未確認情報が報道ベースで流れただけに留まったためだ。
 さらに2011年中には北方領土にT-80BV戦車とBMP-2歩兵戦闘車が新たに配備されたことが確認されているものの、これらはいずれも1980年代からソ連・ロシア軍に配備されているもので、「新兵器」とは言いがたい。
 それまで北方領土に配備されていたT-55戦車やMT-LB装甲車が1950年代配備の超旧式装備であったため、それに比べればいくらかマシになったという程度であろうか。
 むしろ、2011年の軍事力近代化計画では、荒廃した兵舎の再建や、飛行場の拡張による大型輸送機の離発着能力獲得といったインフラ整備のほうが重点目標であったように見える(現在の北方領土の軍事インフラの荒廃振りについては、弊ブログで一度ご紹介したことがあるので参照されたい。本当にひどい状態である。http://brrsm2.blog.fc2.com/blog-entry-8.html)。
 特に飛行場の拡張が完了すればロシア空軍の標準的な大型輸送機であるIl-76の離発着が可能となるため、有事に本土から増援部隊を受け入れる能力が飛躍的に向上することになる。

 さて、この計画がスタートしてから1年以上が経過した今年8月、マカロフ参謀総長が計画の現状と見通しについて久しぶりに語った。
 しかし、2011年には、軍事力近代化の中身に関する正式なアナウンスはなかったため、事実上、これが最初の公式発表ということになる。
 それだけにマカロフ発言は我が国でも比較的大きく取り上げられたが、メディアによって内容に疎密が見られるので、とりあえず筆者が見渡した限りでは最も詳しい『ヴズグリャード』紙から発言の大要をまとめてみた。

・ 北方領土の軍事力近代化計画は2011年の計画通りに進行中
・ 2014年中ないし遅くとも2015年には完了する
・ 兵力は増強せず、3000-3500人規模とする
・ 「バスチョン」対艦ミサイルないし「バール」対艦ミサイルを配備する
・ 現在はT-80戦車1コ大隊などの重装備と「ブークM1」防空システムが配備されているが、これらは撤退させる。戦車については、「雪が4mにもなるところで何に使うんだ?」との弁
・ 防空システムとして「パンツィーリS-1」と「ブークM-2」を配備
・ 従来の5個駐屯地を集約し、国後と択捉に1カ所ずつの計2カ所とする・・・

(続きはメルマガでご覧になれます。登録月中は無料です。http://www.mag2.com/m/0001568270.html

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