★WSI Daily 2014年6月30日配信分

World Security Intelligenceというサイトを始めました。
ロシア、中国、イラン、パキスタンなど、ユーラシア大陸の複雑でわかりにくい安全保障について、わかりやすくタイムリーな情報提供を行うと共に、今後はマンスリーやクオータリーでより突っ込んだ知見をお届けしていきたいと思っています。
とりあえず今日からデイリー版の配信を開始しましたのでご紹介。

今日のテーマはイラクに供与されたスホーイの訓練要員到着、Su-35Sの第2バッジ契約の可能性、米露の対テロ協力再開の意向表明など

http://wsintell.org/top/2014/06/wsi-daily-2014630/
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★書評 国際兵器市場とロシア



防衛研究所の山添博史先生がロシアの武器輸出をテーマとしてユーラシアブックレット『国際兵器市場とロシア』を出版されたのでご紹介。
山添先生というと防衛研究所のペーパーなどでは中露関係の分析を得意としておられますが、最近はずっと武器輸出問題にも取り組んでおり、本書はその一端を一般向けに分かりやすくまとめたものと言えましょう。
筆者もこれまで『軍事研究』などでロシアの武器輸出問題については取り組んできましたが、山添先生『国際兵器市場とロシア』は次の2点で非常に際立ったものと言えようかと思います。
第1に、国際的な兵器市場全体を幅広く概観した上で、その中にロシアを位置付けていること。
第2に、インド、中国、シリア、イランといったロシアのパートナー諸国との国際関係に分け入った上で武器輸出を論じていること。
まとめれば、非常に幅広い文脈に「ロシアの武器輸出」を位置付けた業績、ということになりましょうか。
一方、たとえば武器輸出の利益が軍需産業セクターにどのように還流されるのか、などもう少し武器輸出自体のメカニズムに突っ込んでほしかったところもありますが、これはおいおい発表される本格的な論文等に期待するところでしょう。
というわけでロシアの安全保障について論じる上で必須の一冊としてお勧めさせていただきたく。

※ユーラシアブックレットでは畏友・片桐氏の『ロシアの旧秘密都市』もロシアの安全保障を掴む手がかりとしてお勧め。

★ヴェトナムがロシアからSu-34を入手?

今月号の『J Wings』を眺めていたら、青木兼知先生のコラムに非常に興味深い記事が載っていた。
ヴェトナムにロシアのSu-34戦闘爆撃機が搬入されているとおぼしき写真がFacebookに掲載されているという。
問題のページ

Su-34_vietnam.jpg


問題の画像は今年2月25日にFacebookに掲載されたもので、5月14日に中国のsina.com.cnに転載されて話題となった。
写真はAn-124輸送機からSu-34の機尾部分が覗いているもので、特徴的な円筒形の大型テイルコーンは間違いなくSu-34のものである。
また、テイルコーン側面には2010年以降の生産型に搭載されているAPU(補助動力装置)の吸気口がついており、機体には塗装もされていないことから、比較的新しい機体であろうと想像がつく。
ヴェトナムはこれまでもSu-27SKやSu-30MK2VといったSu-27系列の戦闘機を保有してきたが、Su-34はまだ導入していない(というよりロシア空軍以外にまだSu-34を導入した国がない)。
ロシアの軍事専門誌『ペリスコープ2』の2012年の記事によると、この頃からヴェトナムはSu-22の後継となる戦闘爆撃機としてSu-34に興味を示していたようだが、まだ正式の契約に至ったという話は聞こえてこない。
しかし、この写真がヴェトナムで撮影されたものだとすれば、何らかのデモ機か、または秘密輸出契約によってヴェトナムにSu-34が持ち込まれたものと考えられよう。
しかも5月14日といえばプーチン大統領の訪中(5月20日)の直前であるから、このタイミングで中国のネットがこの画像を取り上げたことにも何かと意味がありそうだ。

ちなみに冒頭で取り上げた『J Wings』8月号は野木恵一先生のSu-27開発ヒストリーも読ませるものがあり、ロシア者は必読の号である。

★Yahoo!ニュース個人 ロシアが環境団体に資金援助工作?

先週、NATOのラスムセン事務総長が、「ロシアが環境団体に資金援助を行ってシェール・ガスの開発を妨害させ、ロシアへのガス依存を継続させようとしている」と発言しました。
この件についてYahoo!ニュース個人に記事を書きましたので宣伝まで。

★ロシアがグリーンピースに資金援助? ウクライナとのガス紛争の影でロシアの秘密工作疑惑が浮上

あんまりできすぎな気もしますが、NATO事務総長が言っているとなると、「うーん、そうかもなぁ」というところです。

★最近の書き物 ウクライナ東部情勢についてYahoo!ニュース個人二題

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★最近の書き物 『軍事研究』7月号

今回の『軍事研究』7月号ではウクライナ危機がらみで、旧ソ連の未承認国家「沿ドニエストル共和国」を巡る地政学について書いてみました。
このような分離独立国家ができる経緯、ウクライナとの密接な関係、ロシアの思惑、軍事力の現況などについてまとめています。
多分、沿ドニエストルの軍事力については今のところ日本語で最も詳しい資料だと思います(ドヤァァァァァァ・・・)ので、よろしければ手に取ってみてください。




ちなみに今回の『軍事研究』には元防衛研究所の三井光夫先生による、ロシア軍のウクライナ侵攻シミュレーションが載っており、大変読み応えがありました。
ウクライナ危機以降、この手の読み物はたくさん出てきましたが、ロシア軍研究を専門とするプロの軍人が書いたものは日本語ではこれだけでしょう。

★歩中(アル中)

多少のアルコール水溶液を摂取しないとどうも眠れない質で、アル中の初期症状らしいことは知っているのですが、酒も飲まずに長生きする理由がよく分からないのでやめるつもりはありません。
ただし最近はあまりに不健康な生活もどうかと思い、なるべく歩くようにし始めたのですが、これが変な快感があってすっかりはまってしまいました。
最初は毎晩4-5kmほど歩く程度だったのですが、最近は都内なら次のアポの場所までなるべく歩く等して、大体1日に10-15kmくらい歩いております(昨日は門前仲町から大手町まで3kmちょっと歩きました。暑かったけど気持ちよかった)。
最近はちょっと危ない領域に突入しており、「歩かないと落ち着かない」「どうにかして歩きたい」という領域まで足を踏み入れてしまいました。まぁランナーズ・ハイなどというものがあるくらいで、あの種の持続系の運動は中毒性があるのでしょうね。
アル中ならぬ歩中といったところでしょうか。
いつまで続くか分かりませんが、まぁ体に悪いことはないのでしょうから、なるべく継続してみたく。

★Yahoo!ニュース個人 NATOの対露防衛見直しについて

ウクライナ危機で持ち上がったNATOの対露安全保障見直しの機運とロシア側の反応について書きました。

オバマ大統領の欧州歴訪:東欧諸国の脅威は「ロシアとロシアとロシア」
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最近の書き物
★『プーチンの国家戦略』(単著)

 2016/10/26発売。幅広い読者の皆様向けに、安全保障政策を中心とした筆者なりの「ロシア論」を初めて展開してみました。プーチン大統領を取り巻く情報機関人脈、イスラム過激派、宇宙といった新トピックも盛り込んでいます。

★『軍事大国ロシア』(単著)

「軍事大国ロシア」を、軍事力、戦略、対外関係、軍需産業、社会など様々な側面から描き、その実態を浮かび上がらせようという試みた一冊。専門書の体裁なのでやや硬め。

★ドミトリー・トレーニン著『ロシア新戦略』(共訳)

カーネギー財団モスクワ・センター所長である著者がソ連崩壊後のユーラシア世界を描き出した労作。管理人も翻訳に参加しています。

★「イラストでまなぶ!ロシア連邦軍」(共著)
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