★『赤星通信』第40号

旧ソ連・ロシアの軍事・安全保障上をお届けするメルマガ「赤星通信」の最新号を配信しました。
今回はついに40号です。
3本の記事の中から、当ブログでは、ロシア陸軍に師団編成が復活するという記事をご紹介します。
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目次
★師団編成の復活を決定
★飛行場の近代化・再建
★新型ロケットの開発遅延
★編集後記



★師団編成の復活を決定
 今年5月4日、ロシア国防省は、モスクワ州に駐屯する2つの部隊を師団編成に改編することを発表した。
(http://www.ria.ru/defense_safety/20130504/935791082.html)
 対象となるのは第5独立自動車化歩兵旅団と第4独立戦車旅団で、それぞれ軍改革前の名称に戻される。
 復活する名称は、前者が「タマン名称赤旗勲章授与親衛自動車化歩兵師団」、後者が「カンティミール名称レーニン・赤旗勲章授与戦車師団」である(かっこいい)。
putin_ria3.jpg
写真:タマン旅団を訪問したプーチン大統領

 この改編は5月9日の戦勝記念日までに実施され、両師団は新名称でパレードに参加するという。
 本メルマガ第34号でも取り上げた通り、ロシア国防省はすでにモスクワに駐屯する儀仗連隊と憲兵連隊に帝政時代の名誉称号である「プレオブラジェンスク連隊」と「セミョーノフ連隊」の名を授与することを決定している。
 両連隊もパレードには登場する筈なので、明後日の赤の広場では、帝政ロシア時代とソ連時代の物々しい名誉称号を持つ部隊が一緒にパレードを行うという光景が見られるはずだ。
 こうした一連の懐古的な政策は、軍の士気向上を狙ったものと見られるが、師団への改編についてはやや注意を要する。
 本メルマガで幾度か触れたように、ロシア軍は軍改革の過程で陸軍のほぼ全部隊(北方領土駐留の第18機関銃砲兵師団を覗く)を師団から旅団に改編した。
 これによって部隊規模をコンパクト化し、機動性が高くかつ局地戦に向いた部隊への変革を目指したのである
(ちなみにこれは早くから対ゲリラ戦の矢面に立たされてきた内務省国内軍が一足先に採用した方針でもあった)。
 こうした中で、「師団」が復活することになったわけだが、それが単に名誉称号なのか、部隊の構造自体も完全に旅団から師団へと改編されるのかについては明らかになっていない
 ただし上記記事では「新しい構造」という言葉が出てくるので、本式の師団編成が復活する可能性が濃厚である。
 この場合、それが首都駐留のエリート部隊に限った措置なのか(たとえば前述の国内軍は首都防衛部隊のみ師団編成としている)、あるいは全軍に師団化への流れが波及するのかが焦点となろう。
 もし後者であるならば、大規模戦争型から局地紛争型へのシフトを指向していたセルジュコフ元国防相の改革が巻き返されることを意味するためである。



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