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★ロシア軍の武器調達状況

ご無沙汰しております。
その間、未曾有の災害がわが国東部を襲い、大変に心を痛めております。
まずは被災された方にお悔やみを。そして今も被災地で戦い続ける自衛隊・警察・消防その他の機関、医師団、各国の救助チームに感謝を申し上げたいと思います。

私はこの震災に関して貢献できることは何一つとしてなく、強いて言えば平常どおりロシア軍観察を続けることくらいです。
それさえ震災と年度末のゴタゴタに巻き込まれて滞っていたのですが、GPV-2020絡みで少しまとまった情報が出てきましたので、以下にまとめます。


★2010年度の調達実績
まずは2010年の調達実績だが、セルジュコフ国防相によれば次の通りである。
(カッコ内は2009年からの増減を示す。2009年以前の調達実績についてはこちらを参照)
 ・弾道ミサイル×27基(?)
 ・空中発射巡航ミサイル×34基(?)
 ・人工衛星×6基(-5)
 ・航空機×21機(-22)
 ・ヘリコプター×37機(-4)
 ・防空システム×19基(?)
 ・戦車×61両(-2)
 ・その他の装甲車両×325両(-52)

意外にも、2009年に比べて減少している項目が多い。
特に航空機が激減しているように見えるが、これは2009年度分にアルジェリアから引き取った31機のMiG-29SMT/UBTが含まれているためである。したがって、実際に2009年中に新造された機体数は12機となる。一方、2010年にもMiG-29SMT/UBTは3機含まれているので、正味の新造分は18機。
さしひきで6機の調達増加ということになる。

弾道ミサイルについては、これがICBMとSLBMの合計分のみを指すのか、「イスカンデル-M」戦術弾道ミサイルまでを含むのかはっきりしない。少なくとも3基のRS-24「ヤルス」ICBMと10基以下のRS-12M2「トーポリ-M」ICBM、そして2基の「ブラワー」SLBMが製造されたことはたしかと思われるが、それ以上の詳細は不明だ。
ただ、「イスカンデル-M」の発射システムは6ユニット調達されたようなので、1ユニットにミサイル2発で合計12基となる。前述のICBM/SLBMと足せば27基くらいにはなるかもしれない。
いずれにしても新START条約による検証措置が近く再開される予定なので、実態はその際に明らかになるだろう。

装甲車両の調達もかなり落ち込んでいるが、ポポフキン国防次官による装甲車両調達の見直しと何らかの関係があるのかどうかは明らかでない。


★GPV-2020の概要ポポフキン第一国防次官によれば、「2020年までの国家武器計画」で調達されるのは、主に以下の項目である。
 ・航空機×600機、ヘリコプター×1000機、近代化改修×400機
 ・各種艦艇×100隻
  このうち、フリゲート×15隻、コルヴェット×35隻、潜水艦×20隻
 ・S-400防空システムの配備と、さらに進歩したS-500の開発
 ・RS-24「ヤルス」ICBMおよび「ブラワー」SLBMの配備
 ・Tu-95MSおよびTu-160戦略爆撃機の近代化改修
 ・「イスカンデル-M」戦術弾道ミサイル×10個旅団を含む精密攻撃能力の獲得

この辺はまぁ、Посмотрим!(お手並み拝見)というところで、どこまで実現できるものか見守って行きたい。
「イスカンデル-M」は当初、各軍管区に1個旅団ずつということだったので、ずいぶん増強されることになるようだ(ロシアの軍管区は以前は6個、昨年から4個になった)。



★2011年度の調達予定
このうち、2011年度の調達予定は次の通りとされている。
 ・戦略弾道ミサイル×36基
 ・戦略弾道ミサイル原潜×2隻
 ・戦略空中発射巡航ミサイル×20基
 ・人工衛星×5基
 ・航空機×35機
 ・ヘリコプター×109機
 ・攻撃型原潜×3隻
 ・水上戦闘艦×1隻
 ・防空システム×21基

かなり景気のいい話だが、攻撃型原潜(855型のことだろう)×3隻というのはちょっと疑問がある。
855型はまだ2隻しか起工されておらず、今年中に3隻取得するのは物理的にまず不可能と思われるからだ。
「2011年中に起工する分」と解釈するにしても、1年で本当に3隻も原潜を起工できるかどうか。GPV-2020全体の先行きと合わせて注目していきたく。
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