書評をいただいた件とイベント告知など

オタクを職業として食っているのですが、一応研究者の真似事のようなこともしており、いくつか学会に入っています。
そのうち二つの学会誌でほぼ同時に拙著『軍事大国ロシア』の書評を掲載していただきました。

国際安全保障学会の『国際安全保障』第44巻第4号ではロシアのサイバー戦研究で有名な海上自衛隊の佐々木さんに、戦略研究学会の『戦略研究』第20号では金沢大学の永田さんに拙著をご批評いただきました。
どちらも拙著に暖かいご評価をいただくとともに、大変有益なご指摘をいただいています。

前者では1990年代の分析が手薄ではないかというご指摘があり、これは長らく自分の宿題と感じていた点です。1990年代は現在のロシア軍の基礎を形作った時代であり、本来であればこの頃の議論をもっと深掘りする必要があるのですが、半ば歴史研究に属する作業であるゆえに苦手としていました。とはいえ、現代について2冊書いたので、そろそろ今度は現代ロシア軍の揺籃期に当たる1990年代へと潜っていかねばならないだろうとも思っています。
後者では、その他の拙著も丁寧に引用しつつ、総合的に僕の議論を論評していただきました(したがって書評論文という形態になっています)。ここでのご指摘事項としては、ロシアの脅威を受けている周辺諸国についても丁寧な描写が必要ではないかということで、これもありがたいご指摘です。特に最近、米国に行ってから、安全保障というのは相手のことを考えないとやはりダメだなという認識を新たにしていました。
また、バルト三国、北欧、東欧ではロシアの脅威に対して軍事体制の立て直しが進んでいるところであり、今後ロシアがどの程度の軍事的優位を発揮し得るのかについて考えうる意味でも、相手の事情にも筆を及ぼすべしというご指摘は大変貴重だったと思います。
以上、ご両名への感謝の気持ちとして。

ちなみに戦略研究学会では4月23日の第15回研究大会に登壇させていただきます。
「劣勢下における行動原理―ロシアの「非対称」戦略」というタイトルで喋る予定ですが、非会員の方でも参加できますのでよろしければ是非に。懇親会もあります。

それに先立つ4月18日は神楽坂にある新潮社のイベントスペースla kaguで「ロシアが、分かる ~内在的論理から読み解く“大国”~」というタイトルのトークイベントがあります。
聞き手はなんと元フォーサイト編集長の堤さんなので、僕はともかく堤さんのロシア観を聴きに来られてはどうでしょうか。






関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

広告
最近の書き物
★『プーチンの国家戦略』(単著)

 2016/10/26発売。幅広い読者の皆様向けに、安全保障政策を中心とした筆者なりの「ロシア論」を初めて展開してみました。プーチン大統領を取り巻く情報機関人脈、イスラム過激派、宇宙といった新トピックも盛り込んでいます。

★『軍事大国ロシア』(単著)

「軍事大国ロシア」を、軍事力、戦略、対外関係、軍需産業、社会など様々な側面から描き、その実態を浮かび上がらせようという試みた一冊。専門書の体裁なのでやや硬め。

★ドミトリー・トレーニン著『ロシア新戦略』(共訳)

カーネギー財団モスクワ・センター所長である著者がソ連崩壊後のユーラシア世界を描き出した労作。管理人も翻訳に参加しています。

★「イラストでまなぶ!ロシア連邦軍」(共著)
検索フォーム
リンク
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: