★ロシア軍の装備更新関連(地味目の含む)

明けましておめでとうございます。
早速正月から仕事に追われておりますが、ノーヴォスチ通信で目に付いたロシア軍の装備更新関連の話題だけ簡単にまとめます。

★西部軍管区に12機のMi-28N攻撃ヘリを配備
2012年第1四半期中に12機のMi-28Nを配備する由。ということは2012年全体ではかなりの配備数になると思われる。
昨年の報道では、東部軍管区では2011年に引き続いて2012年も12機のKa-52攻撃ヘリが導入されるとのことであったから、西ではMi-28N、東ではKa-52という変な配備の仕方が続いて行くようだ。
そもそも「2種類の攻撃ヘリを同時並行配備するのは効率が悪い」という批判に対して「両者は任務が違う」というのが公式のエクスキューズだったはずだが・・・
さらに南部軍管区にはMi-24の近代化バージョンMi-35まで配備され始めており、少々理解に苦しむ。

★工兵部隊の装備調達を倍増
BMK-225発動機付きカッター(PP-91ポンツーン橋用)、新型クレーン車などの工兵装備の調達、研究開発、施策作業に関する予算が倍増される。
ちなみにPP-91ポンツーン橋というのは昨年の「ツェントル2011」にも登場した野戦架橋システムでこんなやつ
ロシア軍の長距離軌道能力を支える上でこういう装備は不可欠ということだろう。

★黒海艦隊に救助船部隊を新設
消防船など20隻の救助船を含む第145救助船支隊が黒海艦隊に設立される。また、300m以上の海中で救助作業を行える潜水救難船も配備される。今のところ黒海艦隊には潜水艦が1隻しか配備されていないが、今後、キロ型が6隻配備されることに対応して潜水救難船も必要になったのだろう。

★北方艦隊に新型海洋測量艦配備
海底の地形等を3Dで把握できる新型海洋測量艦が2012年中に北方艦隊に配備される(形式名等には言及が無い)。
この種のマルチ・スタティック音響システムを備えた測量艦はすでにバルト艦隊や黒海艦隊に配備されており、2011年には太平洋艦隊に海洋測量艦「ヴィクトル・ファレーエフ」が配備されたので、2012年を以って全艦隊が近代的な海洋測量能力を持つことになるという。
ちなみに今すぐソースが出てこないのだが、北方艦隊では昨年、20年ぶりに消防車が更新されたそうである。

★2020年までに60機以上のMiG-31をBM仕様に改修
ロシア空軍のドリク報道官によると、空軍は2020年までに60機以上のMiG-31(MiG-31BM)を受け取る。
以前の報道では30機分の契約を結ぶとのことだったが、契約数を増やしたのかどうかは不明。
また、この記事では初めてMiG-31BMの性能の詳細にごく一部ながら踏み込んでいる。
これによると、MiG-31BMでは最大探知距離が320km、追尾距離が280kmとなり、最大10目標同時追尾・6目標同時攻撃が可能。
また、空中コマンドポストとして他機種を管制することもできる(MiG-31同士でデータ交換が可能なことは以前から知られていたが、他機種に対する管制能力が以前からあったのかどうかはよく分からない。常識的に考えればデータリンクくらいは普通につながっているか)。


というわけでここ数日くらいの装備更新関連の話題を目に付くままに並べてみました。
このほかにもSu-34の配備とか戦略核戦力の話とか書きたかったのですが、それまはまた後日ということで。
とりあえずの感想としては、
①正面装備がそれなりの数で配備され始めたorされ始められる見通しがついてきた
②しかしヘリなど、一部の調達が迷走気味に見える
③正面装備でない地味な部分にもカネが回ってきた
の3点ほどを挙げておきたいと思います。
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黒海艦隊に救助船部隊が創設された

ロシア 黒海艦隊 に、新たな救助船部隊が創設されました。 『くろいあめ、あかいほしM2』 より。 【黒海艦隊に救助船部隊を新設】 『ロシア通信社ノーボスチ』の元記事 ...

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No title

あけましておめでとうございます。
正面装備の拡充が進みだしたことは、ロシア国内の生産工場がようやく整備し終わったということでしょうか。
ソ連崩壊後の共和国の分散で2500万のロシア人と共に多くの兵器工場が国外になってしまったことは聞きましたが、特にグルジア紛争ではロシア側とグルジア側ともにsu-25
を使い誤射もあったのですし、早いとこ更新するなりなんなりしないと危ないと感じます。当分はsu-25を使い続けるでしょうが…

ヘリコプターはやたらと贅沢に配備してますね。ウクライナにも別けて欲しいほどです。
海軍に関しても新型コルベットしかり砲艦など徐々に就航していってくれればいいです。
あとボレイ級やキエフ級の改修など2012年は大きな事が進む年になってくれると良いですね。

深海潜水装置

大変ご無沙汰しております。
『ロシア・ソ連海軍報道・情報管理部機動六課』管理人の高町紫亜です。

「黒海艦隊に救助船部隊を新設」の元記事は当ブログで全訳を掲載しておりますが、「300m以上の海中で救助作業を行える」のは、遠隔操作の深海無人装置であり、バチスカーフではありません。
写真も載せてあります。

国防省公式代理人ニコライ・ヴォスクレセンスキー氏は
「2012年に新たな深海潜水装置を受領する」
「今回、新たに編成された救助船部隊には、水深300m以上で作業する為の深海潜水複合体が含まれている」
と発言しております。

ですから、「300m以上の海中で救助作業を行える」深海潜水装置は、既に配備済みという事です。

黒海艦隊に救助船部隊が創設された
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/43689404.html
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