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プーチンの国防論文①全般認識

去る2月20日、ロシアのプーチン首相が国営紙「ラシースカヤ・ガゼッタ」に、「強くあれ:ロシアのたしかな国家安全保障」と題した長文の論文を掲載しました。
3月4日に迫った大統領選ではプーチン首相の大統領復帰が公算大と見られていますが、第二次プーチン政権の国防・安全保障政策の方向性を考える上で、この論文は重要な手掛かりになるものと思います。
この論文の意義に関する解説記事は『軍事研究』誌等で書いていく予定ですが、まずは内容把握が先ということで、各セクションごとにぽちぽちと全訳して公開していくことにしました(計7回となる予定)。
まずは最初の全般的状況認識についてのパートを以下に訳出します。

--------------------------------------以下、翻訳------------------------------------------------------


世界は変化している。そこにおいて進行中のグローバルな変革プロセスは、最も広範で、ときに予測不可能なリスクを秘めている。世界経済その他が衝撃を受けている状況下にあっては、力による圧迫の下に他者を犠牲にして自らの問題を解決しようという誘惑が常に存在するものだ。すでに「国家主権はグローバルな意義を持つ資源にまで及ぼされるべきでない」などいう "客観的な"問題提起の声がときおり上がっている。

たとえ仮の可能性であったとしても、ロシアに関してはこのようなことはあってはならない。つまり、我々は何人をも自分の都合でそそのかしてはならないということだ。

だからこそ、このような条件が満たされないかぎり、我々は戦略的抑止力のポテンシャルを放棄することはないし、それを強化していくだろう。我々が1990年代の困難な環境下で国家主権を維持できたのはまさに戦略的抑止力のおかげであった。率直に言って、我々は重みを持ちうる根拠を他に持ち合わせていなかったのだ。

ロシアが安泰でない限り―――つまり、紛争の発生リスクを検討せず、軍事・技術上の独立性を確保せず、あらゆる挑戦に対する優れた適切な対抗策を講じなければ―――国際的な地位を強化したり、経済や民主的な制度を発展させていくのが不可能であることは明らかである。

我々は、軍の発展とロシアの軍需産業の近代化に関する過去に例を見ないプログラムを採択し、実施中である。来る10年間で、この目的のために全体として23兆ルーブルが支出される。

その額を幾らぐらいにするのか、そしてこれほどの支出を今行う必要性があるのかについて、多くの論争があったことを隠すつもりはない。この支出は、国家の能力と資源の観点からまったく適切なものであったと確信している。重要なことは、近代的な軍隊の設立と国防ポテンシャルの複合的な強化という課題の解決は、遅らせるわけにはいかないということだ。

これはロシアの予算を軍事化しようという話ではない。要はこういうことだ。我々が支出しようとしている予算は、我が軍への予算手当が歴史的に少なく、実質的に新型兵器の購入が行われていなかった年月の「ツケを支払う」ためのものなのである。この間、他国は一貫して自国の「軍事的な筋肉」をつけていたのである。


-------------------------------------以上、翻訳-------------------------------------------------------


次は「新しい脅威に対する"スマートな"国防」というパートの訳を掲載します。
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