★ロシアの武器輸出額100億ドル越えへ

★ロシアの武器輸出総額は100億ドル越えの見込み
10月28日、ロシアの連邦軍事技術協力庁(FSVTS)は、2010年度の武器輸出総額が100億ドルを上回る見込みであると発表した。以前、同庁のドミトリエフ長官は今年の売り上げを95億ドル程度としていたので、上方修正した形だ。
また、同じ日に国営武器輸出公社「ロスアバルンエクスポルト(ROE)」のイサイキン総裁が述べたところによれば、ROEの売り上げは年平均5~7億ドルずつ増加しており、10年前と較べて倍増しているという。

★2010年度の主な契約
Lenta.ruによれば、今年結ばれた主要な武器輸出契約は次の通り。ただし、これは航空・防空兵器に限ったリストのようだ。また、あくまで「契約」のリストであり、2010年中に実際に納入された兵器を示すものではない(納入ベースでのデータもいずれ作りたいと思っています)。
・リビア:Yak-130練習機×9機
・インド:MiG-29艦上戦闘機×29機
・アルゼンチン:Mi-171Eヘリ
・ウガンダ:Su-30MK2戦闘爆撃機×6機

このほかに、合意が固まっている契約として、以下のようなものがある。
・ヴェトナム:Su-30MK2戦闘爆撃機×32機
・ポーランド:Mi-17ヘリ×5機
・アルジェリア:「パンツィールS-1」防空システム×38基

以上のように、今年も中国との大型契約は結ばれなかった。
もともと取引関係のほとんどなかった陸戦兵器はもちろん、最大の売れ筋商品であった航空・防空兵器でも新規契約がなくなったことは注目に値する。Su-27のコピー問題や、中国自身が武器市場におけるロシアのライバルへと成長しつつあることなどが背景にあると考えられよう。たとえばスホーイとミコヤンの社長を兼任するミハイル・ポゴシャンは、今年5月、中国とパキスタンが共同開発したFC-1/JF-17戦闘機がMiG-29と競合するとして、同戦闘機向けにRD-93エンジンを供与することに難色を示している。

一方、ヴェトナムが32機ものSu-30戦闘爆撃機導入を計画していることも気になる。同国はすでにロシアからキロ級潜水艦を購入する予定であるほか、モルニヤ級ミサイル艇のライセンス生産も開始しており、中国の軍拡に対抗する意図があると見られる。
インドネシアがロシア製戦闘機の大量購入を計画していることとも併せて、中国の軍拡が東南アジアに対抗軍拡を引き起こしつつあるらしいのが少し不気味だ。
関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

広告
最近の書き物
★『イラストでまなぶ!軍事大国ロシア』(共著)

 2017/9/30発売。既刊「イラストでまなぶ!ロシア軍」の大幅増補改訂版。めまぐるしく変化するロシア軍の最新情報を各分野の有名ブロガーでまとめました。かわいいイラストもついてるよ(擬人化ペルソナ偵察衛星さんのかわいさは異常)。
★『大国の暴走』(共著)

 2017/7/25発売。米中露それぞれの視点から現在の世界情勢について話し合った鼎談企画です。ユーラシアの巨大国家である中露の論理、トランプの世界観など。
★『プーチンの国家戦略』(単著)

 2016/10/26発売。幅広い読者の皆様向けに、安全保障政策を中心とした筆者なりの「ロシア論」を初めて展開してみました。プーチン大統領を取り巻く情報機関人脈、イスラム過激派、宇宙といった新トピックも盛り込んでいます。

★『軍事大国ロシア』(単著)

「軍事大国ロシア」を、軍事力、戦略、対外関係、軍需産業、社会など様々な側面から描き、その実態を浮かび上がらせようという試みた一冊。専門書の体裁なのでやや硬め。

★ドミトリー・トレーニン著『ロシア新戦略』(共訳)

カーネギー財団モスクワ・センター所長である著者がソ連崩壊後のユーラシア世界を描き出した労作。管理人も翻訳に参加しています。
検索フォーム
リンク
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文: