★『赤星通信』第7号 「冷戦後初の「国産」輸送機初飛行間近」ほか

旧ソ連・ロシアの軍事・安全保障情報を毎週お届けする「赤星通信」の第7号が配信になりました。
今回は間もなく初飛行するIl-476輸送機の概要とその戦略的インパクトを中心にお届けします。

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赤星通信 第7号 冷戦後初の「国産」輸送機が初飛行間近/徴兵の給与手当増額
2012.9.10



 ロシア・旧ソ連諸国の軍事・安全保障情報をお届けする「赤星通信」の第7号をお送りします。



目次
★冷戦後初の「国産」輸送機が初飛行間近
★徴兵の給与手当増額
★編集後記



★冷戦後初の「国産」輸送機が初飛行間近

 ロシア空軍の新型輸送機Il-476の初飛行が9月中にも予定されている。
 Il-476はこれまでロシア空軍の主力輸送機であったIl-76MDを大幅に改設計したタイプで、Il-76MD-90Aとも呼ばれるタイプだ。
 新型のPS-90Aエンジンを採用し、最大ペイロードが50tまで向上しているほか、新型の主翼を採用したことにより、最高速度は850km/hへとさらに増大し、最大ペイロード搭載時の航続距離も6000kmまで伸びているのが特徴だ。
 戦闘機や爆撃機に比べて輸送機というのは注目度が低いが、筆者はこの輸送機に2つの戦略的意義があることを指摘したい。
 第一に、この輸送機はロシアが冷戦後に開発した初の「国産」輸送機であるという点だ。ソ連の軍用輸送機メーカーとしてはIl-76シリーズなどを開発したイリューシン設計局と、An-12などを開発したアントノフ設計局とがあった。しかし、イリューシン設計局の輸送機を生産していたチカーロフ名称航空機工場(TAPOiCH)は現在のウズベキスタンにあり、現在では「外国」になってしまっている(イリューシン設計局自体は現在もロシア企業)。
 アントノフに至っては設計局も工場もウクライナ政府の管轄下に入ってしまっており、したがって、ロシアは輸送機を国産できない状況が長く続いてきた(ほかにもロシアには大型機メーカーとしてツポレフがあるが、同設計局には軍用輸送機の開発警官がない)。
 しかも、ウズベキスタンとウクライナは何かとロシアとの関係に問題を抱えている。ウズベキスタンについてはロシアから距離を取ろうとする傾向が強く、特に軍事・安全保障面ではロシアが主導するCSTO(集団安全保障条約機構)への加盟と脱退を繰り返してきた(今年6月には、2度目の「加盟資格停止」を宣言している)。
 さらにTAPOiCHは生産能力にも問題が多く、中国から受注したIl-76輸送機とIl-78空中給油機(Il-76の空中給油バージョン)を納期通りに生産できず、結局は破談に陥っている...


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